今日は朝早く目を覚ました。
ふと車の事が気になった。
事故以来ほったらかしにしている。
小走りに駐車場に来てみる。
車を一回りしてみた、しゃがんで下からも眺めてみた。
別に車の外側に傷はなく事故を起した痕は残っていなかった。
ドアを開け、男を乗せた後部座席を調べてみる。
おや、なんなんだろう・・・後部座席のしたに何か見覚えのない財布が・・・
誰のだろう・・・?
そうだ、事故のとき・・・彼を運ぶときに落としたのだろうか?
薄茶色の革の手作り風の折り財布で、革に花柄の様なものが彫ってある・・・。
中には千円札が三枚と小銭が少しと、カードが二枚、名詞・レシート・・・
その下には免許証があった。
写真を見る、やはりそうだ私が跳ねてしまった男の顔だ。
しかし彼の写真の顔をよく見ると、その顔に見覚えが・・・以前何処かであったことがあるような・・・
そんな気がした。
財布をポケットに押し込むと車のドアを閉めた・・・
駐車場から帰ろうとしたとき、
ミャー、ミィャーとかすかな猫の鳴き声が聞こえてきた。
私は周りを見渡した・・・・・
段ボウルから顔を覗かせ、子猫が必死に外に出ようとしていた。
選択 | 子猫を拾わない |
寒さで震える子猫を、ジャンバーのファスナーをあけ懐に入れてやった。
子猫は暴れる事もなくおとなしく私の顔を見上げた。
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