前回更新日 | 更新日2008年10月17日 |
葉の呼び方 | |
無地葉 | 緑だけで、斑の無い葉を示す用語 斑の無い葉を無地と言います。 葉型の変異や地合の変異を「無地葉変わり」と言ったりします。 |
天葉 | 一番上の葉を示す用語 |
稚葉 | 親木になるまでに出た、本来の長さより短い葉を示す用語 |
襟えり | 葉の根元のを示す用語。着物の襟合わせの様になっている所。 |
襟合わせ | 襟の合わさり方を示す用語。(=襟組み)「襟合わせが正しい」の様に使う。 |
襟組み | 襟が規則正しくなっている状態示す用語。「襟組みが良い」の様に使う。 |
筬おさ | 葉と葉の間隔を示す用語。間隔が広いと「おさが緩い」の様に使う。 富貴蘭で、よく用いられ、軸の部分の葉と葉の間隔を表現する言葉です。 葉重ねが密なものを「筬が詰まる」といい、葉と葉の間隔が広いものを「筬がゆるい」と言います。 |
腰 | 葉の根元辺りを示す用語。 |
軸 | 株の付け根辺りの部分を示す用語(葉が落ちた後に、細い木の幹の幹の様な軸がある。これが本来の軸か) |
葉繰り | 葉の出る量を示す用語。(葉が出る量が多い=葉繰りが良い) |
堅状線けんじょうせん | 葉の表面の、凹状の細かい線(葉芸) |
立条線りつじょうせん | 葉の表面に出来る、糸の様な細い凸状の線 |
◆葉芸による分類<T>葉地合◆ | |
羅紗葉 | 葉の表面に細かい凸凹が出来て、光沢が無くなった地合い(葉芸) 葉の表裏が荒れ地で細かい凹凸があり、葉肉が厚い個体を羅紗又は羅紗地と言います。 布の「羅紗」に例えて、厚く、ごわごわした感じを表しています。 葉肉の薄いものは「縮緬地」という場合があります。 無地葉変わりに分類されます。 |
シカミ地(金剛地) | |
鑢地やすりじ | 葉の表面に、鑢の芽の様な、細かい横ジワが入る地合い(葉芸) 葉の表面に鑢の目のような細かい凹凸がある変異を言います。 無地葉変わりの一つです。 |
照り葉てりば | 葉の表面に艶のある地合い(葉芸) |
艶消しつやけし | 葉の表面に光沢のない地合い |
艶葉つやば | 一般的な個体より葉面の光沢が強く、プラスチックの様に見える種類を言います。 |
絹地きぬじ | 葉の表面が、滑らかできめ細かい地合い(通常の地合い) |
◆葉芸による分類<U>葉状◆ | |
並葉なみば | 通常の大きさで、通常の形の葉型 |
受け葉うけば | 葉先が露を受けるような感じなる葉型 |
露受け葉つゆうけば | 葉先が露を受けるように上を向いた葉型 春蘭、寒蘭、富貴蘭などで用いられ、葉の形状を表す言葉です。 なだらかに下垂した葉の先端が上に曲がったものを言います。 |
姫葉ひめば | 緩やかに湾曲する葉型 富貴蘭の葉の形状を言います。 横から見て全ての葉が、なだらかに円弧を描いているものを言います。 姫葉の姫は小型という意味ではありません。 「大型の姫葉」も存在します。 春蘭では姫葉とは言わず、「中垂れ葉」などと言います。 |
力葉りきば | 先端から1/3の所で折り曲がる葉形 |
直刀葉ちょくとうば | まっすぐに伸びる葉型 蘭の葉を横から見ると通常は、なだらかな曲線を描きます。 葉元から葉先まで真っ直ぐに伸びた形状の葉を直刀葉と言います。 |
垂れ葉たれば | 葉元より下に葉が垂れる葉型 |
立葉 | 葉の伸びる角度が、45度以上の葉型 春蘭や富貴蘭などの葉の出方を言います。 これらの蘭では天葉は真上に出ますが、成長するにつれて、だんだん垂れてきます。 成長しても垂れ方の少ない種類を立ち葉と言います。 |
狂い葉 | 狂った様に曲がりくねった葉が出る葉芸 葉が不規則に変形したもので、一つの芸として認定されたものです。 獅子葉と同じ意味で用いられます。 病気や障害で萎縮、変形したものは狂い葉とは言いません。 |
湾曲葉わんきょくば | 円を描く様に曲がる葉形(葉芸) |
◆葉芸による分類<V>葉形・型◆ | |
豆葉まめば | 富貴蘭、その他で用いられ、葉の形状の変異を言います。 標準品種に比べて葉幅が広く、葉の長さが短く、ずんぐりした形状のものを言います。 「豆」は小型の意味ではなく、「大型豆葉」も存在します。 葉の長さが短くなる葉芸 |
チャボ矮鶏 | 矮性。ドワーフの意味。古典園芸や山野草界で使用する用語 小型になった変異品種を総称して矮鶏と呼ぶ芸に分類する場合があります。 |
糸葉 | その品種の標準的な個体より極端に葉幅の狭い個体を糸葉と言います。 葉幅が狭くても形状が直線的なものは針葉と言います。 糸葉の例は錦蘭(深山鶉)などに見られます。 |
針葉 | 棒状で葉先の尖った葉型となる葉芸 葉幅が細く、直線的な形状をした葉を針葉と言います。 直線的ということで、必然的に葉肉は厚めで固めになります。 葉肉の薄いものは単に細葉と言ったり糸葉といったりします。 |
広葉ひろば | 幅の広い葉型 |
長葉ながば | 一般の富貴蘭に比べ葉丈の長い葉型 |
木の葉型このはがた | 上から見ると木の葉の様に見える葉型 |
丸止めまるどめ | 葉先の方まで幅がある葉形 富貴蘭、春蘭、寒蘭など葉が長いものは一般的に葉先が尖っています。 尖り方が、ゆるい品種を丸止めと言います。 |
鈴虫剣すずむしけん | 上から見ると、葉の先端に鈴虫の輸卵管の様な葉幅の無い、細い葉が出る葉芸。 葉の先端が針の様に尖る芸で、鈴虫の産卵管から付けられた名前です。 発生起源は主脈(中脈)が伸びた場合と甲竜が変化した場合があるようです。 |
獅子葉 | 変形した葉の芸を言います。 富貴蘭の場合は葉が不規則に、曲がった状態のものを言います。 ノキシノブ(シダ)の場合は葉が細かく分裂したものを言います |
竜(りゅう) | 古典園芸などで葉の一部が盛り上がる芸を指す。甲竜(こうりゅう)、がし竜などの種類がある |
ガシ | 葉の肉厚が、線状等に盛りあがったりする葉芸 雅糸竜(ガシリュウ)とも言います。 葉の表又は裏面に無数の細かい縦皺が入ります。 多数の甲竜が現れた個体であると言われています。 (多数の葉が癒着して出来た) |
甲竜 | 葉の表(稀に裏)の主脈の部分に線状の盛り上がりや窪み、又は樋状のものが生じた芸を言います。 発生起源は2枚の葉が癒着したものと言われています。 品種により全部の葉に甲竜を生じるものと、数枚に一枚しか出ないものがあります。 覆輪で甲竜の二芸品を見た事がありますが、甲竜の部分にも覆輪がありました。 発生起源が2枚の葉の癒着であるので、甲竜は小さな葉であり、この部分(葉)にも覆輪がかかります。 |
熨斗葉のしば | 熨斗の様に、両端を合わせた様な葉になる葉芸 葉の左右両端をつまんで貼り合わせた様な奇形葉です。 したがって葉の表面は内側に隠れます。 |
管葉くだば | 葉が管のように、まるまっている葉芸 熨斗芸(のしげい)が、さらに進化して葉が筒状になってしまったものです。 鑑賞的には珍品ですが葉の表面が筒の内側になってしまうので、一般的に生育は悪くなります。 構造上、天葉が伸びにくくなるので芯止まりし易いです。 |
燕尾葉 燕尾えんび |
葉先が割れて、燕の尾っぽ様に見える葉芸 葉の形状変異の一つです。 葉先が2つ(または、それ以上)に割れてツバメの尻尾の様になる変異です。 |
樋葉といば | 葉が中心で折れて、断面がVかU字となる葉芸 |
コンペ | 葉質の変わった突起物等がでる葉芸(ウイルス、虫等による変形とは違う) 葉の縁などにケロイド状の半透明の隆起が生じる芸です。 |
透かし星すかしぼし | 点状に葉の厚みが薄くなり、日に透かすと、星のように見える芸 |
墨 | 線状に葉の気孔(空気の取り入れ孔)がつぶれる事によって、現れる黒い線。 濃紺の糸状の縞のように見えますが、斑とは区別されています。 葉や軸に1、2本現れた場合「墨を引く」と言います。 たくさん現れた場合は「墨流し芸」といわれ、斑入りでは無く、無地葉変わりに分類されています。 極、細い白縞が黒く変色した様なものや、濃い紅の汚れを墨と言ったりする場合もあり、多少混乱しています |
◆変異の呼び方◆ | |
芽変わり | 突然変異で新芽に親と異なる性質が現れる事を芽変わりと言います。 斑入りなどは実生で現れる事もありますが、登録された品種の多くは野生種の選別か、芽変わりです。 親と違う特徴を持った子が生まれる事を示す用語 |
変異(へんい) | 通常とは違う性質が現れる事。突然(とつぜん)変異 |
先祖がえり 退化 |
今までとは違う変化が見られるが、その植物(品種)の親以前の形質が出てくる事。 |
石化(せっか) | 成長点が複数発生する変異・状態。 |
帯化(たいか) | 通常は点である成長点が線状に変異したもの。 一時的な場合もある。=綴化(てっか) |
綴化(てっか) | 帯化(たいか)現象。主にサボテン業界で使用。「せっか」と読む場合もある。 |
矮化(わいか) チャボ、ドワーフ |
矮性化現象。普通のものとくらべ成長が遅く、丈が短くなったもの。 薬を使って矮化させたり、一代限りの交配種だったりして薬が切れたり、種を蒔いても普通のものになる園芸種も有る。 |
その他 | |
狂う | 葉が芸として変形する事を狂うという場合がありますが、この場合は悪い意味ではありません。 しかし、状態が悪くなる事を言う場合もあります。 例えば斑が抜けてしまった事を「芸が狂う」と言ったりします。 |
凝る | 特に富貴蘭で、天葉が急に短くなり、以降、木が小型化してしまう現象を言います。 環境の変化等による成長障害が考えられます。 ただし、西出都等で小型化した個体が珍重され、銘名されるようなケースもあり、芸であるか障害であるかの区別が難しいです。 |
上芸じょうげい | 芸(斑、花、葉変り)がよく出ている状態を示す用語 |
本芸(ほんげい) | 古典園芸において先天的な形質がきちんと現れた状態。例)本芸が出ている。 斑入り、その他の個体変異は同一品種でも個体により善し悪しがあり、栽培方法によっても変わってきます。 その品種の特徴(芸)を良く表した状態を「本芸」と言います。 |
作上がり | 以前(例えば前年)と比較して、生育状態が良くなっている場合、作上がりしたと言います。 |
作落ち | 以前(例えば前年)と比較して生育状態が悪くなっている場合、作落ちしたと言います。 |
二芸品 | ある品種が二つの芸を同時に現した場合「二芸品」と言います。 例えば斑入りで花変わりであれば二芸品です。 |
多芸品 | 複数の芸を併せ持つ個体を言います。 2種類の芸を持つものは二芸品と呼ばれるので、さらに、それ以上の芸を持つ物を言います。 |
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